
Q.「坊主丸儲け」と良く聞きますが、お坊さんは税金を払ってないとは本当なのでしょうか?
A.いいえ。税金はちゃんと払っていますよ。お坊さんの収入(所得)は、実は毎月もらう給料だけなのです。給与なので当然、所得税がかかりますし。また、住民税も支払う義務があります。税金が免除されているのは、公益法人とみなされる宗教法人として登録されている寺境内の建物や敷地の固定資産税だけなのです。それは、寺境内や敷地は、住職個人の所有物(資産)ではなく、公益性のある宗教法人としての所有物だからです。
年中行事の志納金や法事・葬儀の布施、お賽銭、お盆や年末・年始の御仏前等は、僧侶が預かっているだけで、そのまま住職の懐に入るのではありません。これらは、宗教法人の会計にそのまま算入して、寺院の運営費に充てられています。その運営費には、住職等の給与もあり、住職や寺族(住職の家族)が個人的に使用するスペース分の電気代等は、住職の給与から支払っています。
寺の運営には費用が必要となりますが、その原資となるのは、頂いた布施等の収入のみによって賄われています。
寺の収入(布施等)が寺院運営費を下まわれば、寺院を維持運営していくことができなくなります。また、護持会費(寺を護持管理していく費用)の主な使途は、寺院境内の保険等が主で、電気料や水道料等の維持管理費は、寺院運営費(布施等が原資)より賄われているのが現状です。
人口減少や墓じまいなどで、檀家数が減っていくと、全国的に寺院崩壊するのではないかと危惧されています。
「坊主丸儲け」というのは、外から一部のいいところのみを見たもので、実際の寺院運営はとても難しい現実があります。今後はさらに寺院運営が厳しくなると言われています。